G&MARKS(ジーアンドマークス)は『よい変化』をテーマに、日本の魅力を開拓するプロジェクトです。日本には未開の可能性や価値がまだまだあります。伝統文化や土地土地の魅力、人やものごとのアイデンティティを大切にし、これからの未来に向けてよりよい変化を起こす。そんな活動を応援し、紹介します。
ACTION Re-ACTION EDUCATION:教育を接点に地域循環を生み出す

教育 × 地域 × 専門職

ACTION Re-ACTION EDUCATIONは、『教育』の新たな可能性の開拓と『地域価値の循環』をテーマに掲げたプロジェクトである。教育環境もまた日本の魅力の1つであり、よりよい日本の未来を創造するためにも、教育環境のさらなる向上は必要価値といえる。近年は教育に求められること、教育を通してできることも、実に多様化しているように思える。それが表れている好例ともいえよう。

プロジェクトは、専門性の高い授業を行う県立高等学校の授業で行われている。高校の通年カリキュラムにおいて、何に取り組むかという課題の設定から課題解決までを地域の企業や職人など各分野の専門家が次々と参加し、生徒と専門家が共同で課題(授業)に取り組むプロジェクトである。専門家の参加により、生徒がより実践的なことを学ぶことができることはもちろん、生徒の問いかけに大人が応えるという『アクション・リアクション』を重視したコミュニケーション型アクティブラーニングの実現を目指している。また、課題の条件には必ず「自分たちの地域」を掲げ、世代を超えて「地域を考える場」としても機能している。

実践的な学びの場を作る。様々な専門家とのコミュニケーションを通して、高校生の豊かなコミュニケーション能力を養う。職業を具体的に体験し将来計画に役立てる。自分たちの地域についてさまざまな立場から考え、地域の誇りを育む。雇用を生み出す。世代をつなぎ、人をつなぐ。このプロジェクトは、従来の教育の常識を超えて、新たな地域価値をもった学びの場を創造している。

埼玉県立児玉白楊高校での実践

ACTION Re-ACTION EDUCATIONは、埼玉県立児玉白楊高校にて実践されており、地域の企業や専門家が参加・協力している。プロジェクトは2015年から開始され、2018年で4年目となる。その間、学校と地域をつなぎ、卒業生と在校生をつなぎ、人と人をつなぎ、教育の新たな可能性を拡張し続けている。ここに各年度で実施されたカリキュラムを紹介する。


<2015年度>
 農業科と工業科を持つ同校の特徴を活かした「農業分野でのICT活用」を目指し、浦野義頼氏(早稲田大学名誉教授)監修のもと、生徒が考案し開発した半自動灌水システム-ICTによる植栽への水やりシステム-「水やり君」のデモシステムを文化祭で公開した。“半自動”とは、天候や土壌の状況に合わせた水やりが遠隔操作で行えるということである。高校生が考えたこのシステム「水やり君」は、文化祭の他さいたまスーパーアリーナで開催された「彩の国ビジネスアリーナ2016」にも展示、また新聞などのメディアを通じて情報発信され好評を得た。

<2016年度>
 前年度からのステップアップとして「水やり君」の屋外設置と「水やり君」の実用化を見据え、同校の敷地の一角を利用した「庭づくり(造園)」を「造園作品制作プロセス」とし通年カリキュラムを組んだ。ここでは授業の各フェーズごとに、それぞれの専門家や専門企業が参加する実践的チャレンジを行っている。オリジナリティを活かした「アクティブ・ラーニング(能動的学習)」の学習モデルは、さらに充実しグレードアップされた。
 カリキュラムでは、様々な基本知識の学習に始まり生徒の柔軟な創造力を活かしたプランニング、コンセプトメイキング、各種専門的な民間企業との連携、専門業務の実体験、そして2015年度に続く同校工業科(電子機械科)とのコラボレーションなどが実施された。完成したガーデンは同校の文化祭で公開され、新聞や雑誌、テレビなどのメディアにも取り上げられている。
 このカリキュラムは、高校生一人ひとりの将来の社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる能力や態度を育てるキャリア教育として認められ、「埼玉県キャリア教育実践アワード2017」において優秀賞を受賞した。

<2017年度>
 2016年度の屋外設置からのステップアップとして、「水やり君」の商品化の実現を目標とした。「畑」「庭」「コンクリート面」という3つのケースを対象に、それぞれ3m角ほどのエリアを設け、半自動灌水の実践的シミュレーション及び土中湿度センサーにより計測した土壌の状態表示、さらにはその数値化(ビッグデータ化)の検証を行った。
 造園については、敷地段差の影響で土砂崩れが問題となっていた傾斜地が計画地となっている。またその場所は、校舎と課外授業の実践の場となるエリアの交錯点に位置し、土砂崩れの問題を解消しつつ、ひと休みできる憩いの場づくり(環境デザイン)を目指すこととした。
 また、庭づくりに使用する素材(木材)を確保するため実際に地域の山へ出向き林業体験を行い、林業に携わる方やその土地や木々と対話をしながら、自分たちの手で使用する材料を集めてくるという体験学習も行った。林業体験を案内してくれたのは児玉白楊高校の卒業生であり、また昨年度の卒業生がさっそく社会人として庭づくりに参加協力している。
 「埼玉県キャリア教育実践アワード2018」を、2017年に次ぐ二年連続で受賞。また、全国造園デザインコンクールにおいてランドスケープコンサルタンツ協会会長賞を受賞。同賞は四大タイトルの一角であり、全国でも高い評価を受けた。

<2018年度>
 本年度も、現在進行中である。